和菓子小径こみち
建国記念の日、日の丸に桜祝の落雁を添えて祝う
日の丸のもと、建国を祝して

建国のかたちに想いを結ぶ日

目に見えぬ「かたち」に寄せる思い

二月十一日は、建国記念の日。国のはじまりという、目には見えない「かたち」に、静かに思いを結ぶ一日です。

「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として、この日は国民の祝日と定められています。

日本には明確な建国日が定められていないため、日本神話を基に、初代天皇とされる神武天皇が即位された日を由来として、この日が建国記念の日とされています。

旧暦では紀元前六六〇年一月一日にあたり、明治期に新暦へ換算され、現在の二月十一日となりました。

時を経て、受け継がれてきた日

明治の時代、この日は「紀元節(きげんせつ)」と呼ばれ、日本のはじまりを祝う祝祭日として暦に刻まれていましたが、戦後の時代の変化の中で、一九四八年(昭和二十三年)、祝日としての扱いが見直されることになります。

その後、建国を記念する日を求める声が重なり合い、九度にわたる議論を経て、一九六六年(昭和四十一年)、「建国記念の日」として再び定められ、現在のかたちで二月十一日が受け継がれています。

受け継がれてきたものに、思いを寄せて

この日は、華やぎに心を奪われるのではなく、長く紡がれてきた時間や、積み重ねられてきた営みに目を向け、想いを巡らせる日なのかもしれません。

目に見える出来事よりも、代々受け継がれてきたものや、かたちを変えながらも残り続けてきた心に、ふと目を向ける一日です。

和菓子と「かたち」の文化

日本の文化には、「かたち」を大切にする心があり、季節の移ろいを暦に映し、行事を設え、手仕事を通して想いを伝えてきました。

和菓子もまた、その流れの中で育まれてきたものです。落雁は素朴な素材から生まれ、形を整え、崩れぬように仕上げることで完成します。

そのひとつひとつの工程には、長い年月をかけて磨かれてきた知恵と工夫が込められています。

静かな祝日に、落雁を添えて

建国記念の日に国の成り立ちを思うように、日々の仕事や手仕事もまた、大きな流れの中で連なっているものだと感じます。

特別なことはしなくとも、いつものお茶の時間に、ひとつ落雁を添えるだけで、祝日のひとときが少しだけ豊かなものになるかもしれません。