カテゴリ: 落雁・和菓子
千代道標が紡ぐ、折り重なる糸の物語
ご縁を紡ぐ落雁
千代道標は、糸を巻き重ねた姿を写した落雁です。
人と人との出会いは、一本の糸のように細く、折り重なりながら、千代へと続いていくものだと考えています。
そのご縁が人生の道を照らす「道標」となりますように、そんな願いを込めて菓銘を「千代道標」と名付けました。
縁を結ぶ糸巻のかたち
糸巻の意匠は、古くから縁起物のひとつとして用いられてきました。
糸は、人と人とを結ぶもの。切れずに、途切れず、ゆるやかに続いていくものです。
その糸を丁寧に巻き重ねる姿には、ご縁が積み重なり、長く続くことへの祈りが重ねられています。
着物や婚礼道具、工芸の意匠の中にも、糸巻の形が静かに取り入れられてきました。
「良き縁がほどけず、乱れず、末永く続きますように」という願いが、そこに宿っていたのです。
三色が導く、千代への道
千代道標では、糸の色に紅・白・紫の三色を用いています。
紅は、慶びと生命力、そしてご縁のはじまりを。
白は、清らかさとまごころ、結びの心を。
紫は、気品と長寿、永く続くことを表しています。
上から紅、白、紫と重ねることで、出会いが結ばれ、やがて千代へと続いていく物語となります。 その糸の流れが、静かに、確かに見えるように意図しました。
糸巻が示す、しるべ
落雁は華やかさを競う菓子ではありません。添えられたとき、場の空気や人の心を静かに整える力を持っています。
千代道標もまた、誰かの節目や、ささやかな祝いの場で、行く先を照らす小さな「しるべ」となれたなら、めでたき日の記憶に寄り添い、ご縁の道を指し示す存在となりますように。
そんな想いを胸に、一つひとつを仕上げています。
糸を巻くように、人の想いもまた少しずつ重なっていくもの。千代道標が、そのご縁の一端を結ぶ存在となれば幸いです。