カテゴリ: 素材・落雁
穏やかな甘みと風味の詩 ― 北の大地の恵みから
北海道の白い恵み
白餡のやさしい甘みは、選び抜かれた豆の風味から生まれます。
北海道の広い大地で育まれた二種類の白い豆、それぞれの粒が持つ自然の香りが、餡に深みとまろやかさを添えます。わがし京増では、一粒一粒を丁寧に選び、白餡に仕上げています。
雪手亡豆が紡ぐやわらかな甘み
手亡豆(雪手亡)は、白いんげん豆の一種で、雪のように白い小粒が特徴です。
銀手亡や絹手亡といった種類の中から、白餡の表情に合う雪手亡を選び、餡のまろやかさを引き立てています。
明治時代に北海道・十勝地方で栽培が始まり、半蔓性の性質から支柱が不要であったことが「手亡豆」の名前の由来です。
味わいはクセが少なく、さっぱりとしており、どんな和菓子にも自然になじみます。
大福豆が添える白餡の深み
大福豆は白餡に加えることで、豊かな風味としっかりとした食感を生み出します。別名は斗六豆や十六寸豆とも呼ばれ、北海道・胆振地方を中心に栽培されています。
品種は洞爺大福が多く、白く大きな粒が美しく、楕円形でやや平たい形状をしています。味わいはクセが少なく上品で、白餡全体の調和を支えています。
白餡の仕上げと味わいのゆくえ
豆が秘める自然の香りとやさしい甘みを生かしながら、白餡の味わいがゆるやかに立ち上がるよう仕上げます。
餡炊きの工程で丁寧に「晒し」を重ねることで、滑らかで均一な甘みと豊かな風味が整えられます。
その風味は、味わうごとに静かに広がり、白餡ならではのやさしさを口の中に残します。
白餡で楽しむ季節のキントン ― 寒彩園(かんさいえん)
白餡はそのままでも上品な甘みを楽しめますが、季節の和菓子としてキントンに仕立てると、より深い味わいを感じられます。
わがし京増では、白餡の風味を活かした作り方で、餡そのものの自然な甘みと食感を楽しめるよう工夫しています。
「寒彩園」は、冬の庭を手のひらに閉じ込めたような雅やかな和菓子です。小豆餡を庭の器に見立て、白と緑のキントンや紫・橙の花を配しました。
寒さの中でも映える色と形の取り合わせが、目で季節の趣を感じるひとときを作ります。
味わうと、滑らかな白餡の甘みと豆本来のやさしい香りが穏やかに広がり、見た目の美しさとともに季節の移ろいを感じられる、白餡ならではの和菓子です。