和菓子小径こみち
紅の紐に結ばれた箱に、祝いの意匠を納めた落雁
落雁「ことほぎ結び」

紅を結び、願いを納む

ことほぎの心

赤き紐に結ばれた箱に、祝いのかたちが映ります。あらわれる意匠と、内に納められたかたちが重なり、ひとつの景色が立ち上がります。

結びに託されるのは、ほどけぬ願いと、人をつなぐ縁。その結び目は、贈る心と受け取る心のあいだに、確かなつながりをもたらします。

紅に結ぶ

紅は、古より災いを遠ざけ、命の力を映す色。祝いの場にあらわれ、その先へと続く健やかさへの願いを帯びます。

その紅を結ぶ紐は、願いをかたちにあらわすもの。一筋に、災いを遠ざけ、健やかさを願う心が込められています。

ことほぎの意匠

松・雲・扇・翁――それぞれに伝わるかたちが、ひとつの景色を成していきます。

松のかたち:松は常緑であることから、不変や長寿の象徴とされています。四季を通じて色を保つその姿に、揺るがぬ願いと末永い繁栄を重ね、祝いの意匠として受け継がれてきました。

雲の意匠:やわらかに広がる雲は、吉兆を運ぶ象として古くから親しまれてきました。流れる雲の姿は、めでたさが途切れることなく続いていくことを願うかたちでもあり、広がりのある趣を添えています。

扇のひろがり:金彩の扇は、末広がりのかたちに吉を託した意匠です。開くほどに広がるその姿は、未来へと続く繁栄や幸いを象り、華やぎを添えながら全体の趣を引き立てます。

翁のしるし:翁の面は、長寿と安寧を象る吉祥のかたちとして伝えられてきました。穏やかな表情に重ねられるのは、歳月を重ねるよろこびと、円満に満ちる日々への願いです。その面差しは、祝いの景色に落ち着きを添え、全体を調えます。

祝意の納め

それぞれの意匠に託された意味は、ひとつの箱に重ねられ、祝いのかたちとして結ばれていきます。箱そのものが主となり、意匠と結びが調和して、ひとつの景色があらわれます。

納められた想いは、開くひとときにあらわれ、贈る心と受け取る心をつなぎます。めでたさを映すこの佇まいが、大切な節目に寄り添うものとなるように、そのかたちを整えました。