カテゴリ: 季節・行事
暦を運ぶ、一陣の風
暦がつなぐ、秋の入口
「立秋(りっしゅう)」は、二十四節気の第十三番目にあたり、暦の上で秋の始まりを迎える節目です。例年では8月7日頃から8月22日頃にあたります。
「立」には「始まる」という意味があり、実際には一年でも特に暑さの厳しい時期でありながら、暦の上ではこの日から秋となります。
日中は強い日差しが続く一方、朝夕の風や空の色、草木の表情には少しずつ秋の気配が現れ始めます。日本では古くから、こうした自然のわずかな変化を暮らしに取り入れ、季節を少し先取りする文化が育まれてきました。
立秋を迎えると、暑中見舞いは残暑見舞いへと変わり、日々のあいさつにも季節の節目が映し出されるようになります。
涼風至、秋を告げる候
立秋の頃に迎える七十二候「涼風至(すずかぜいたる)」は、「涼しい風が吹き始める頃」を意味します。例年では8月7日頃から8月11日頃にあたり、暑さの中にも季節の変化を感じ始める時期です。
七十二候は、二十四節気をさらに約五日ごとに分け、風や草木、虫の声など、身近な自然の移ろいを細やかに表した日本の暦です。
厳しい暑さが続く中でも、朝夕に吹く風や空の表情、草木や虫たちの様子には、少しずつ季節の変化が現れます。「涼風至」は、そうした小さな移ろいを表す言葉として受け継がれてきました。
秋の深まり、その道しるべ
立秋は秋の始まりを表す節気であり、秋分は昼と夜の長さがほぼ等しくなる頃を表す節目です。
立秋から秋分までは、およそ一か月半。暦の上では秋の入口から季節が少しずつ深まり、やがて実りの時期へと向かいます。
8月の立秋には厳しい暑さが残りますが、9月の秋分を迎える頃には、朝夕の涼しさや草木の変化など、秋らしい表情が少しずつ増えていきます。
日本の暦は、季節を大きな節目だけでなく、風や光、自然のわずかな変化として細やかに表現してきました。
暦を映す、和のひとひら
和菓子は、四季の移ろいを色や形に託し、日本の美しい季節を表現してきました。
立秋を迎える頃には、涼しさを感じる意匠や秋を思わせる色彩が取り入れられ、暦の変化を楽しむ趣が生まれます。
落雁もまた、季節の情景を映し出す和菓子の一つ。自然の風や草木の表情、移ろう暦に寄り添いながら、一つひとつの形や色に季節の彩りを込めています。
立秋の風に秋の訪れを感じながら、季節を映した落雁とともに、日本の暦が伝える自然の美しさへ思いを寄せるひとときを。