和菓子小径こみち
法要の文字を刻んだ香炉の落雁
天へ昇る祈りのかたち

送り盆と送り火──天へ還る願いと遠き人への想い

送り盆──感謝を込めて、ご先祖様を見送る日

送り盆は、お盆の最終日にご先祖様を感謝の気持ちとともにお見送りする日です。迎え盆でお迎えしたご先祖様をお見送りし、数日間にわたるお盆の行事を締めくくります。

地域によって風習は異なりますが、ご先祖様は送り盆の日の午前中まで家で過ごされると伝えられることもあり、朝食や昼食を家族と同じように仏前へ供える家庭もあります。最後のおもてなしとして、大切に受け継がれてきた習わしの一つです。

送り火の意味と込められた願い

夕暮れになり辺りが薄暗くなる頃、玄関先や門口で送り火を焚き、ご先祖様をお見送りします。送り火は、迷うことなく帰路につけるよう願いを込めた道しるべとして伝えられてきました。

現在では火を焚くことが難しい住まいも多く、盆提灯を灯してお見送りする家庭もあります。それぞれの暮らしに合わせた方法で送り盆を営む姿も、お盆の大切な風景です。

送り盆のあとに行う片付けと習わし

送り火を終えたあとは、お盆飾りを片付けます。盆棚や精霊棚を整え、お供え物を下げ、盆提灯を納めることで、お盆の行事は一区切りとなります。

地域によっては十七日に片付けを行ったり、お墓へ供えた花や供物を持ち帰ったりする習わしもあります。時期や方法は、それぞれの地域やご家庭の決まりに合わせて行われています。

お盆のお供えは下げて食べてもいい?おさがりの意味

仏前へ供えた食べ物やお菓子は、感謝の気持ちを伝えたあと、「おさがり」として家族でいただく風習があります。お供えをいただくことは失礼にはあたらず、ご先祖様からの福を分けていただく意味があるとされています。

暑い時期でもあるため、傷みやすい食品は早めに下げることが大切です。落雁のように日持ちのするお菓子は、お盆のお供えとして長く親しまれてきました。

送り盆で受け継がれる供養の心

迎え盆から始まるお盆の四日間には、お迎えの準備を整え、お供えを通して故人を偲び、感謝の心とともにお見送りする時間があります。

送り盆は、その締めくくりとなる大切な行事です。地域によって形は異なりますが、先人を敬い供養する心は、今も受け継がれています。

お盆のお供えには、故人を偲ぶ気持ちを込めた和菓子が選ばれることもあります。香炉をかたどった落雁は、法要やお盆の場で用いられてきた意匠の一つで、手を合わせる時間に寄り添う菓子として親しまれています。