カテゴリ: 文化・伝統
湖畔を渡る、夏越の祈り
高滝湖を望む祈りの社
千葉県市原市に鎮座する高瀧神社は、高滝湖のほとりに鎮まる由緒ある古社です。
社伝では白鳳二年(673年)の創建と伝えられ、平安時代の史書『日本三代実録』にもその名が記されるなど、千年以上にわたり人々の祈りを受け止めてきました。
御祭神は、天照大神の孫にあたり、天孫降臨の神として知られる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)。あわせて玉依姫命、別雷命が祀られ、安産・子育て・縁結びの神として今も篤い信仰を集めています。
春の花嫁まつりや稚児行列、秋の流鏑馬など、古くから受け継がれてきた神事は、地域の人々の暮らしとともに今日まで大切に守られてきました。
豊かな緑に囲まれた境内には湖から風が吹き渡り、長い歳月を重ねてきた古社ならではの風格が漂います。
湖に残る祈りのかたち
高滝湖のほとりには、水辺に朱色の鳥居が建ち、湖を代表する風景の一つとなっています。
平成二年(1990年)の高滝ダム完成により、旧参道の一部は湖の底へと姿を変えました。現在の鳥居は、その歴史を今に伝える象徴として建てられたものです。
湖面に立つ鳥居は、土地の記憶と人々の祈りを今へと結び、高滝湖を代表する風景として多くの人々に親しまれています。
夏越を迎える茅の輪
先日訪れた香取神社に続き、高瀧神社でも境内に茅の輪を見ることができました。
大きさや組み方には違いがあり、神社ごとに受け継がれてきた特徴が表れています。
大祓は、知らず知らずのうちに身についた罪や穢れを祓い、心身を清めて新たな半年を迎えるための神事です。
境内に設けられた茅の輪は、古くから受け継がれてきた祈りの風習を今へ伝え、多くの人々が残る半年の無病息災を願う節目となっています。
和菓子に受け継がれる歳時記
夏越の祓をはじめ、日本には季節の節目を大切にする風習が数多く受け継がれています。茅の輪くぐりもその一つであり、神社ごとの作法に従って参拝し、人々は残る半年の無病息災を願います。
古くから受け継がれてきた歳時記は、和菓子とも深く結び付いています。夏越の祓にいただく「水無月」をはじめ、季節の和菓子には、その時季ならではの願いや祈りが込められてきました。
茅の輪をくぐり、半年の穢れを祓って残る半年の無病息災を願う――。その節目を大切にする心は、和菓子の世界にも脈々と受け継がれています。
季節の節目に込められた人々の願いとともに、和菓子が結ぶ四季の彩りを、これからも大切に紡いでまいります。