和菓子小径こみち
柏餅(端午の節句の和菓子)
節句のひととき

柏餅に伝わる願い ― 節句の心といわれ

柏餅の由来 ― 武家文化に根ざす端午の菓子

柏餅は、端午の節句にいただく和菓子として親しまれてきました。その起こりは江戸時代にさかのぼり、武家社会の中で広まったとされます。

端午の節句は、男児の成長と家の繁栄を願う行事です。その願いをかたちにした菓子のひとつが、柏餅でした。

やがて町人文化の中にも浸透し、季節の節目を彩る存在として広く親しまれるようになりました。

柏の葉に込められた意味 ― 家系が絶えぬ願い

柏餅に用いられる柏の葉には、特別な意味が込められています。柏の木は、新芽が出るまで古い葉が落ちない性質を持ちます。

落ちずに残る葉に、家が途切れぬ姿を重ねて、「家系が絶えない」「代々続く」という縁起が生まれました。子孫繁栄の象徴として、端午の節句にふさわしいものとされます。

香りと味わい ― 柏葉がもたらす風味

柏の葉は食べるものではありませんが、菓子に欠かせない役割を担います。包むことで餅に香りが移り、味わいに奥行きが生まれます。

やわらかな餅と餡の甘みの中に、葉の香りが重なり合い、柏餅ならではの風味を形づくります。

季節の気配をまとった菓子として、古くから親しまれてきました。

願いをかたちに ― 落雁へとつながる節句の心

柏餅に込められた願いは、今も受け継がれています。子どもの健やかな成長、そして家の繁栄を祈る心です。

こうした思いは、節句の菓子に広く通じるものでもあります。それぞれのかたちに、意味と願いが託されてきました。

落雁もまた、意匠の中に意味を映し出す菓子のひとつです。かたちを通して、節句の心を表してきました。

当店でも、節句に寄り添う意匠の落雁をお作りしております。