カテゴリ: 季節・行事
百花に冠たる、その姿
華やぎのかたち
春の深まりとともに、ひとつ、またひとつと花をひらく牡丹。幾重にも重なる花弁はやわらかな光を含み、大きく開いた姿はひときわ豊かな気配をまといます。
古くより人の心を惹きつけてきたそのかたちは、移ろう季節の中に、確かな趣をたたえる花です。「百花の王」とも呼ばれ、富貴や繁栄、高貴さを象徴する花として大切にされてきました。その格の高さは、着物や工芸、和菓子の意匠にも受け継がれ、日本人の美意識の中に息づいています。
暦に記された、花の頃
七十二候のひとつに「牡丹華(ぼたんはなさく)」があります。四月末から五月初めにかけて、牡丹が花開く頃を表した言葉です。季節の移ろいを細やかにとらえる日本の暦の中で、花の盛りを伝えています。
この時季に咲く牡丹の姿は、まさにその名のとおり。ひとつひとつの花が豊かにひらき、季節の深まりを感じさせます。
名に映る、花のこころ
牡丹の花言葉には「王者の風格」「富貴」「壮麗」といった言葉があり、その堂々とした姿にふさわしい意味が込められています。
一方で「恥じらい」という言葉もあり、華やかさの中に奥ゆかしさを感じさせる点も、この花の魅力のひとつです。
季を違えて、咲くかたち
一般に牡丹は春に咲く花として知られていますが、冬に花を見せる寒牡丹もあります。寒牡丹は手入れによって開花時期を調整されたものです。春の豪華さとは異なり、引き締まった趣が際立ちます。
また「立てば芍薬、座れば牡丹」と並び称されるように、似て非なる、その美しさもまた趣のひとつです。
かたちに映す、花の余韻
そのひとときに咲く気配を、かたちへと移したものが、牡丹の意匠「うららの余華」です。重なり合う花弁ややわらかな色合いを写し取り、季節の流れを手のひらの中にとどめます。咲き満ちた後にもなお残る、花のやわらかな余韻を、そのかたちに結びました。
落雁「うららの余華」に見る季節の趣を映す菓子は、当店の落雁一覧ページでもご紹介しております。