カテゴリ: 季節・行事
菖蒲の趣、節へと映して
節に立つ、菖蒲の気配
初夏の節に寄り添う菖蒲は、まっすぐに伸びる葉に凛とした気配を宿し、古くより人々の暮らしの中に息づいてきました。
鋭く伸びる葉は邪気を遠ざけるものとされ、見えぬ災いから身を守る象徴として、今なお大切に伝えられています。
風を受けても揺るがず、その佇まいは、季節の移ろいの中にひとすじの強さを感じさせます。
菖蒲と端午の節句
五月五日の端午の節句において、菖蒲は欠かせぬ草として扱われ、葉の姿を剣に見立てて尚武の心を重ね、健やかな成長への願いが託されてきました。
「菖蒲」と「尚武」が響きを同じくすることから、その意味はさらに深まり、家々の中で子の未来を祈る象徴として今日に至っています。
菖蒲湯と厄除け
香り高い菖蒲は邪気を払うものとされ、湯に浮かべて身を清める風習も伝えられています。無病息災と日々の安寧を願う、節の営みのひとつです。
湯に広がる香りは、季節の境目を感じるひとときとなり、日常の中に節の気配を引き寄せます。
古よりの伝わり
その風習は古代中国に起こり、日本へと伝来したのち、季節の節目を大切にする暮らしの中でかたちを変えながら広がってきました。
宮中の年中行事から民間の習わしへと移り、やがて人々の生活に根づきながら、節句というかたちを今日まで伝えています。
節のかたち、菓子に映して
落雁「菖節薫」は、菖蒲のもつ香り立つような気配と節の趣をかたちに映し、初夏のひとときを一菓に込めています。
手に取るひとときに、節を迎える心と季節の移ろいが重なり、菖蒲の景色が広がるよう願いを託しました。
落雁「菖節薫」をはじめとした節句の意匠の菓子は、当店の落雁一覧ページでもご紹介しております。